(出典 ski.skr.jp)


吉岡 大輔(よしおか だいすけ) 吉岡大輔 (アナウンサー) - NHKアナウンサー。 吉岡大輔 (スキー選手) - アルペンスキー選手、トリノオリンピック日本代表。 吉岡大輔 (ドラマー) - ジャズドラマー。 吉岡大輔 (馬術選手) - 馬場馬術選手。 ルシファー吉岡 - お笑い芸人。
488バイト (39 語) - 2018年4月4日 (水) 17:34


     


スキーレーサーとして早くから才能を開花させ、26歳でトリノ五輪に出場した吉岡大輔さん。オリンピック後に競技スキーから基礎スキーに転向し、39歳になった現在も全日本スキー技術選手権大会で優勝するなど、トップスキーヤーとして活動しています。二児の父親であり、スキースクールの校長として多くの人にスキーを教えている吉岡さんに、スキーの魅力、家族でスキーをする楽しさについて伺いました。


幼稚園で父が指導するジュニアスキーチームに入り、競技スキーの世界へ

編集部:吉岡さんは、いまや世界中から観光客が訪れる人気のスノーリゾート北海道ニセコ町のご出身だそうですね。やっぱり子供の頃からスキーをしていたんですか?
吉岡さん:そうなんです。ニセコで生まれてニセコで育ち、物心つく前からスキーをしていました。親が言うには、2歳になる前にスキーを始めていたそうです。といっても、その頃はまだプラスチックスキーを長靴につけて、スキー場に放されていたような状態だったと思いますが。
編集部:スキーを教えてくれたのはお父さんですか?
吉岡さん:はい。父はニセコモイワスキー場という、ニセコの中では比較的小さいスキー場でスキーを教えていて、地元のジュニアスキーチームコーチもしていたんです。僕も幼稚園の頃からチームに入れてもらって、父から競技スキーを教わっていました。
同じチームに兄も所属していたので、その背中を追いかける形で競技スキーにのめり込んでいきました。兄とのタイム差が縮まってくるとすごくうれしくて、冷たさも忘れて足が凍傷になってしまうくらい夢中になって練習していましたね。
編集部:最初から競技者としてスキーを始めたんですね。
吉岡さん:そうですね、レジャーとして楽しむというよりは競技として、という感じでしたね。
編集部:そこからスキーレーサーとして次々と国内タイトルを獲得し、26歳の時に大回転の種目でトリノ五輪に出場。オリンピックの後は、競技スキーから基礎スキーに転向されましたが、それはなぜですか?
吉岡さん:もともと、オリンピックに出られなくても、26歳で一度アルペン競技に区切りをつけようと思っていたんです。オリンピックに出場する2年ほど前に、友人が出場した基礎スキーの大会に応援に行って興味を持ったこともきっかけになりました。僕のスキーは、滑りの流れを重視するタイプだったので、練習していけば、こちらの世界で戦えるかもしれないと思ったんです。
おかげさまで、僕は今年で39歳ですが、昨シーズンは全日本スキー技術選手権大会で優勝することができました。これまで二連覇した選手はいないので、今シーズンは連覇を目指したいと思っています。スキーは生涯スポーツといわれるように、何歳になってもできるスポーツなので、これからもできる限り選手を続けていきたいと思っています。

39歳にして「全日本スキー技術選手権大会」(3月開催)で2連覇を目指す現役スキーヤー

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スキーは誰でも簡単に楽しめて、体も頭も鍛えられるスポーツ

編集部:スキーとともに人生を歩んできた吉岡さんですが、ご自身はスキーのどんなところに魅力を感じていますか?
吉岡さん:いっぱいあると思うんですが、スキーは止まる動作さえ覚えれば、あとは立っているだけでもスーッと滑っていけるんです。こんなに簡単なスポーツは他にないですよね。何歳でも、どんなレベルでも楽しめるんです。
それでいて、体のバランス感覚や、とっさの判断力、対応力、恐怖心の克服など、いろいろなことが要求されますから、体も頭も自然と鍛えられる。また、日常では感じられないスピード感、風や景色、雪質を体で感じられるのも魅力のひとつかな、と思います。
編集部:吉岡さんが育ったニセコは、とくに景色も雪質も最高ですよね。
吉岡さん:そうですね、景色も広いですし、雪も軽くて恵まれた環境だったと思います。でも、日本のスキー場にはそれぞれ個性があって、それぞれに違う魅力があると思うんです。
僕は4年前から、新潟のニノックススノーパークスキースクールをやっているんですが、ここもすごく景色がいいですよ。ゲレンデから日本海が見えて、その奥の方に佐渡島と淡島も見えるんです。山頂から、まるで日本海へ飛び込んでいくようなイメージで滑ることができます。
6歳になる息子は、ニノックススノーパークが一番好きだと言っています(笑)。彼はまだ山頂には行ったことがないんですが、下のゲレンデは緩斜面で広いので、子供や初心者でも安心して滑れるんです。
編集部:お子さんもスキーをやっているんですね。
吉岡さん:6歳と2歳の息子がいて、下の子は今年、初めてスキーを履いたところです。お兄ちゃんはまだ曲がれなくてまっすぐ滑るだけですが、やっとリフトにひとりで乗れるようになりました。やっぱりスキーは大好きみたいですね。他のスポーツや習い事をしている時に比べて、スキーをしている時が一番いい顔をしていると思います。
編集部:家族でスキーを楽しむことも多いんでしょうか?
吉岡さん:それが、僕はシーズン中は忙しくて、なかなか家族と一緒に滑ることができないんです。むしろ奥さんの方が、子供が小さい頃から飽きさせないように工夫しながらスキーを教えていました。フラフープ輪の中に息子を入れて、後ろからスピードコントロールしながら滑らせたり…。ハの字で止まれるようになるまでは、ほとんど奥さんが教えてくれましたね。
編集部:吉岡さんはスキースクールの運営に加えて選手としての活動もありますから、忙しいですよね。
吉岡さん:国体と技術選、どちらにも出場するので、なかなか時間が取れません。でも、大会には家族で応援に来てくれます。去年は北海道まで来てくれました。でも子供は父親が何の大会に出ているのかも、何位なのかもわかっていない(笑)。一応、『パパ、がんばって』とは言ってくれましたが、大会そっちのけでゴール付近で楽しそうに遊んでいました。

日本海にダイブするように滑られる「ニノックススノーパーク」は吉岡さんのお気に入り

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ゲレンデもマテリアルも、ファミリー向けにどんどん進化している!

編集部:いま、かつてスキーを楽しんだ世代が子連れでスキー場に戻ってきていると言われていますが、吉岡さんは実際、そうした変化を感じていらっしゃいますか?
吉岡さん:うーん、どうなんでしょう。僕としては、もっと増えてほしいと思うんですが…。でも、おじいちゃんが子供と孫を連れて三世代でスキーをしている姿は、以前より多く見かけるようになりました。仕事や子育てでスキーから離れていたけれど、リタイアしてようやく時間に余裕ができたから孫にスキーを教えてあげている…といった感じのシニア世代の方です。三世代で一緒に楽しめるのもスキーならではですよね。
親世代も、午前中は子供をスキースクールに任せたりして、自分たちが滑る時間を作って楽しんでいる印象ですね。僕のスキースクールでは、家族一緒にレッスンを受けたいからと、一般のレッスンではなく、プライベートレッスンを選択する方もいらっしゃいます。スキーに限らず、家族共通の趣味があると会話も増えますし、みんなで共有できるいい思い出になります。子供はうまくなるのも早いので、成長を実感できますし。
編集部:これから家族でスキーを始めようという方に、さらにファミリースキーの魅力をアピールするとしたら…?
吉岡さん:家族でスキーをしようと思った時、探せばネガティブな要素もあると思うんです。寒いとか、お金がかかるとか、荷物が多くて移動がたいへんだとか…。でも、ゲレンデに来ると、家族みんながとってもいい顔をしているんです。なんだかんだ言っても、やっぱり楽しさが上回るんだと思います。
環境も家族が気軽に楽しめるように変わってきています。いまは圧雪の技術が向上していて、ゲレンデがきれいなグルーミングバーンになっていて子供でも滑りやすい。マテリアルも、昔よりもずっと簡単に滑れるように進化していて、ちょっと体を傾けるだけでターンができます。
スキー場も、広いキッズルームがあったり、託児所があったり、そり遊びができるエリアがあったりと、小さな子供連れでも安心して楽しめるところが増えています。
ニノックススノーパークにも、スノーエスカレーターを使って雪遊びができるところがあるんですが、先日もそこでお父さんと一日中そり遊びをしている子供がいました。親子でそりに二人乗りして、ずーっと上ったり下りたり…。
いま、スキー場はスキーをやらなくても楽しめるんですよね。そりが入り口であっても、スキー場に足を運ぶうちに、きっと子供はスキーやってみたい、うまくなりたいと思うようになりますし…。まずは気軽にスキー場に遊びに来てもらいたいですね。
(聞き手:長澤亜記)

「ゲレンデでは家族みんながとってもいい顔をしている」と語る吉岡さん

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ハピスノ伝道師INTERVIEW vol.4 吉岡大輔さん「スキーは年齢・レベルに関係なく楽しめる」


(出典 news.nicovideo.jp)